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 若い男に1から手ほどきしてやる。  これまで散々酷い目にも()ってきた。「私みたいな目に遭う者を減らしたい」という思いもあるのだろう。  ベッドテクニックが上達すれば、相手になる女性も悪い気はするまい。これからこの若い男が出会うであろう未来のプレイパートナーの為の先行投資。林業で杉を伐採した後に若木を植え、次の世代に備えると聞く。それと同じ。  もっとも、それ以上に私自身が楽しみたいという気持ちの方が強い。これもプレイの一環だ。   「僕、これが初めてなんです」と事前に言っていただけあり、プレイがぎこちない。女の胸1つ舐めるのにもギクシャクした行為と気持ちが伝わってくる。  ただ、そんな姿を眺めていると、なんだか可笑(おか)しくなってきて、クスッと笑いがこみ上げてきた。それを見た若い男は「なんだ、かわいらしく笑えるんですね」と言ってくる。 「では、今までかわいくなかったということか?」  そんな風に尋ねると、「ええ、なんだか冷たい感じがして。でも、今は違いますよ。そのギャップに萌えちゃうな~」などと答えてくる。  ギャップ萌えか。ま、悪い気はしない。
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