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帰るまで待ってろと言われたものの、すでに夜の10時。やる事がなくなりソファでウトウト。いつの間にか寝落ちしていた。
「ただいま…。」
ソファで小さく丸まって寝ている美知の頭を撫でた。柔らかな栗色の髪が指の間をくすぐる。
《待ちくたびれたよな…。》
抱き上げてベッドへ連れて行き、そっと降ろしてタオルケットをかけた。隣に入ると温もりを探すように俺の腕の中へ入ってきた。
《寝てる時の方が素直じゃん…笑》
美知の頭にキスをして俺も深い眠りに堕ちた。
翌朝、目が覚めると、すごく温かくて心地良い。
〈ん?腕まくら?誰?〉
そっと振り向くと…彼の顔が…。
〈え?私…どうなってるの?〉
「おはよう…ございます。」
彼の胸に両手を置いてちょっと揺さぶってみた。
「んん~。」
「うわっ!」
私をキツく抱きしめ足を乗っけてきた。
「く…苦しい…。」
「ん?あ…悪い~。寒くないか?」
「……うん。」
「シャワー浴びるか?俺と…笑。」
朝から不敵な笑みを浮かべる。
「な….何を言ってるんですか?」
「昨日は…ごめん。仕事でトラブって後処理してた。」
〈強気で来たと思ったら、急に優しくなったり心が追いつかないよ。〉
「大丈夫です…。」
「あれ?怒んねーの?」
「仕事なら仕方ない…から…。つか…この状態が…。」
「なに?嫌なの?」
「ちょっ!何処触ってるんですか!」
「あ?俺の身体なんだから、どうしたって良いだろ?」
「…ちょ…。」
美知は身体をくの字にする。
「感じてきた?笑。シャワー浴びて続きしよっか?」
「や…ん…。」
「身体が火照ってきてんじゃん…笑。いっぱい可愛がって…いっぱい鳴かせてやるから…。大人しく感じてろ。」
私の胸を触りながら耳元で囁く。口では抵抗してるつもりなのに身体が彼を受け入れたがってる。彼の「俺の身体なんだから」が、どうにもこうにも私の心をくすぐる。
「なーんてね。」
私から手を離した。
「シャワー浴びる。お前も一緒に浴びるか?」
「お一人様でお願いします。」
「まっ後から浴びてもらうけどな。」
私の頭をクシャクシャと撫でる。ベッドが大きく揺れて彼はいなくなった。残された私はタオルケットをギュッと握りしめ、彼の残り香を思い切り吸って悶えた。
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