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「だからだ、現代人はなんでもかんでも言葉を略そうとする。物に対する形容詞を『やばい』と『可愛い』……まあ、他にもあるといえばあるが、最近は昔のように綺麗な日本語が失われているように感じてならないのだ。それに加えてわしら絵文字や顔文字やらを多用しすぎる。色々な種類があってそなたたちはさまざまな感情を使い分けているつもりかもしれぬが、いくら種類が多かろうが感情はステレオタイプになっていくのだよ」
しゅんと肩(サングラス?)を落とす絵文字を見て、少しだけ胸が痛む。
そう言われてみれば、最近私は人に自分の感情――――好きな女優さんの演技の素晴らしさや、夕飯に食べたお母さんの手料理がいかにおいしかったとかをかなり雑に伝えている気がする。
しかも今は友達ともマスク越しでしか話せないし、LINEも顔は見えないから相手がどう思っているのかはいまいち分からない。
でも、絵文字はむしろ私たちのコミュニケーションを手伝ってくれている気がするんだけどな。
ていうか、そんな事を絵文字が言っていいの?自分達を蔑むような事を言っても得があるどころか、不利益しか被らなくない?
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