絵文字

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「う、痛いところを突いてくれるな。でもだな、我々は本来そなた達人間を助けるために生まれてきたものなのだ。我々が反映することによってそなた達が退化してしまったら元も子もない。今一度自分の生活を見直してみてはくれんか」 ……ふうん。なかなかいいことを言うじゃないの。ちょっと考えてみようかしら。 でももう用件は済んだでしょ。申し訳ないんだけど、少しどいてくれない? 「いや、ここであっさりと消えてしまうのもなんだか情けないような気がしていてな。おお、そうだ、ここはひとまず『わしを本当に必要とする時まで』残しておいてはくれぬか。ほら、これならわざわざ絵文字の欄を開かなくても簡単に使うことができるじゃろ。そなたが消えたらわしはここからいなくなろう。この通りだ、どうか頼む」 ちょっと、ぴえんの絵文字でもないんだから目をうるませないでよ、色の濃いグラサンだけど泣き顔になっているのはなんとなく察しがつく。 うん、まああんまり納得はいってないけれどしばらくこのままにしておくか。絵文字もすぐには使わないようにしてみよ。はやくこのおっさんに気持ちよく消えてもらう…………いや、現状の問題点を見直すためにね!
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