淡い夢の中

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淡い夢の中

「ねえあかり、話聞いてるー?」 隣にいた親友のさくらに話しかけられてはっと我に返る。 「な、なんの話だっけ」 「だから明後日遊びに行く話だよ~、行き先は最近できた駅近のショッピングモール、9時集合で いい?」 「いいよ~、私まだ行ったことないんだよね、すっごい楽しみ」 さくらの機嫌を損ねないようにしっかり返事をしたつもりが、彼女の眉がぴくっと動いた。 「あーそっか、今度彼氏さんとそこでデートするんだっけか」 え、か、彼氏!? 「前部活帰りに一緒に帰ってたあの男子といい感じだったじゃん!!最近恋バナが少なくて私たち 飢えてたからうちのクラスその話で持ち切りなんだよね」 キャッキャと頬を染めてあかりも青春真っ盛りか~と勝手に納得してらっしゃいますけど......。 まだ私その男子――――永野くんとは全然そんな話になってないし、なんなら次のデート...... デート(?)なのか分かんないけどでいろいろ発展するかもしれないし、そうじゃないかもしれ ないし、ってなんでこんな熱くなってるんだ自分。 「ち、違うって!まだそんなんじゃないよ」
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