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「ほお?じゃあなんでよ?」
さくらに痛いところをつかれて自分の顔が顔が思わずひきつるのが分かる。 そして今、私の視線の先にいる......後輩と話をしていた佳奈先輩が横を向いた瞬間にばちっと目が合った。
「ねぇ......あかり、あかりってば」
「ああ、ごめんねまた」
無理にトーンを上げようとする私の声とは裏腹に、さくらの顔がだんだんと曇っていく。
「あかり。私、何となく気づいてるんだよらあんたの異変には。何でもいいから言ってみな」
その言葉が終わらないうちに、何故だかどんどん視界が滲んでいく。 さくらが私の腕をぐいっと引っ張って今いた部室の外へと引っ張る。
気がついたらもう、さっきの先輩の姿は消えていた......というか、見えないところに移動したと いうのが正しい。
「さくら......ありがとう」
「どういたしまして。それで?......ってあ、言いたくなかったら全然言わなくていいからね」
いつになくさくらがとっても優しくて、何だかさっきまでの涙が引っ込んだ気がする。 でも、ここでなあなあにしたら絶対後で後悔するんだろうな、私。 言わなくっちゃ、本当のことを!
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