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小さい頃は体が弱く、年に一回一週間程度入院してしまうほどだった。
入院している間、暇になった俺はたまたま病室にあったテレビに映っていた俳句の教育番組に興味を持ち、体調がいいときにはおもむろに俳句を詠み始めた。
何も知識がなかったのであの頃の作品は本当に俳句と言えたのかは分からないが、一日に一回病室に来てくれる看護師さんにあなたの俳句はとても素敵ね、と誉めてくれたこともあり、俺は俳句へとさらにのめり込んでいった。
そして俳句製作に打ち込んだ二週間の入院生活を終え、学校に通い始めるとちょうど学校の文化週間とやらで、一週間後に俳句大会があると担任に告げられ、とても驚いたのを今でも覚えている。
それから放課後は俳句作りに全ての時間を注いだ。俳句に没頭しすぎて宿題を忘れ、担任に怒られるなんてこともあったと思う。
ついに俳句大会の締切日がやって来た。その日は考えてきた俳句を専用の紙に小筆で清書し提出するだけで、特に俳句に評価が下る訳ではなかったが、俳句考えてないわー、とか俳句って575だよね、とかみんな思い思いに騒いでいた。
そんなときのことである。
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