1 マークとコーネ

4/6
前へ
/14ページ
次へ
「何で、こんなときに」  マークは舌打ちした。  マークとコーネは、昨日、結婚式を挙げたばかりだった。  二人には、限りなく幸せな未来が待っている――そう思っていた。  それなのに……  マークとコーネの新居は、町はずれにあった。  新居からは、町中が見渡せた。  再び地鳴りが強くなってきた。  マークとコーネは、外の様子を見ようと、庭に出た。そして見た。  町のはずれの、さらに先……  何やら、(もや)が立ち込めている……  霧? 煙? ……マークには、何かわからなかった。  それが、次第に町に近づき、やがて町を包み始めた。  それは……地割れが起こす砂塵だった。  そして、その砂塵の下で、地面が裂け、町がその中に呑み込まれていった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加