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二人は、かろうじて直撃を免れたが、身動きがとれなかった。
マークは、何とか手を伸ばしてコーネの手を握った。
コーネも、マークの手を握り返してきた。
しかし、それ以上は動けなかった。
その二人に、容赦なく黒い灰が降り注いできた。
1センチ、2センチ……目の前の崩れ落ちた屋根の欠片に、灰が積もっていく。
5センチ、7センチ……横向きの顔の下半分も灰に隠れ、視界も半分になった。
10センチ……もう、口も開けない。かろうじて鼻から息ができるだけだ。
それでも、二人は、最後の力を振り絞って、声を掛け合った。
「マーク……お別れだね……」
「コーネ……君と出会えて……幸せだった……」
「……ありがとう……私も……よ……でも……サヨナラね……」
「……コーネ……ありが……とう……」
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