2 静寂の星

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 地球は、その怒りを地殻の大規模変動という形で爆発させ、竜たちを襲った。    地上のあらゆる大地において、地面が割れ、山が火を噴いた。  火山の噴火で吐き出されたマグマは、大地を焼き払った。  そして、吹き上げられた火山灰は空を覆い、地上へと降り注いだ。  支配者として我が物顔で地上を占領していた竜族の(たみ)は、ただ泣き叫び、逃げまどい、なすすべもなく地割れに呑まれ、燃え広がる炎に焼かれていくしかなかった。  やがて、数メートルから数十メートルという、厚く降り積もった火山灰が陸地を覆い尽くし、地球は静寂の星と化した。
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