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さらにはそれを補強するかのように法明が遠い目をするので、一体誰が来るんだと桂花はより一層気になる。しかも、その人が来るとここが忙しくなるってどういうことだろう。よほどの問題児なのか。それともすぐに体調を崩す人なのか。
「あいつは業務時間外でも来るけどなあ。それにしても疫病神か。言い得て妙だ。あいつにぴったりだぜ」
しかし、そんな二人に無駄だと思うぞと弓弦はにやにやと笑っている。ひょっとして弓弦は来てほしいのか。でも、疫病神であることは認めている。ううむ、ますます解らない。
ともかく、この薬局としてはあまり好ましくない人がやって来る前触れだと、誰もが思っているらしい。一体どんな奴なのやら。しかし、どんな人であろうとも、忙しい理由にされるというのはどうなのだろう。しかもあの真面目な法明までが禁忌事項にしているのも気になる。
「ううむ」
「そうそう。緒方さんってこの近所にある光琳寺のお孫さんだったのよね」
悩む桂花に対し、明らかに無理やりな話題転換を試みる円だ。しかし、円が言っていることは事実なので頷くしかない。
「ええ、そうです。祖父が光琳寺の住職を務めてますよ」
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