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「まさか、漢方に強い薬局だったなんて」
これだけが大きな誤算であり、桂花の浮かれた気分を鎮静化させる要素であった。
桂花が先輩薬剤師の顔だけで選び、ちゃんと調べずに就職した薬局は、街中ならば大きな病院の近くや駅前にどこにでもある調剤薬局の一つだ。ただし、大手の系列チェーンではなく、個人が営む調剤薬局だった。
名前は蓮華薬師堂薬局。
その薬局は清潔な雰囲気と爽やかなイケメン管理薬剤師がいるともっぱら評判の薬局だ。京都という街の雰囲気にもぴたりと合う、それはもう小さいながらも素晴らしい薬局である。
蓮華薬師堂薬局は他の多くの薬局と違って病院からも駅からも離れていて少し不便な感じがする。場所も嵐山と繁華な街からは離れていた。だが、それでも漢方に強いことが評判となり、多くの患者さんがここを選んでくれている。
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