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さて、噂のその爽やかな管理薬剤師、桂花の憧れの人にそっくりのその人の名前は薬師寺法明。今年三十五歳だというが、見た目はとても若々しくて下手すると二十代に間違われそうな顔をしている。さらっと揺れる髪がまた爽やかさを強調していて、綺麗に整った顔と相俟って眩しいほどだ。
「おはようございます」
その法明は今日も一番に薬局にやって来て、すでに細々した作業を始めていた。今は漢方薬として使用する薬草の状態を調べていた。桂花が元気よく挨拶をすると
「おはようございます」
と、にこやかな笑みを浮かべて返してくれる。もう、これだけでもここに就職してよかったと桂花は思う。やはり目標だった人に似ている人がいるというのは、モチベーションアップになるものだ。
「今日は暖かいですね」
「ええ。春本番という陽気ですね。となると、花粉症の方がいらっしゃるかな。スギ花粉はピークを過ぎましたが、まだヒノキ花粉は飛んでますからね」
「ああ、そうかもしれないですね」
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