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「ごめんごめん。そうなんだね。じゃあ、解るよね。薬剤師はお薬のプロ。僕は他にも色々と植物や自然にあるものを組み合わせて薬を作ることもしているんだ。それは元気になる植物から作った飴なんだよ」
「へえ。薬剤師さんって飴ちゃんも作れるんだ」
「そうだよ。普通の飴と違って、植物を煮て作るんだ」
「凄いねえ。私も薬剤師さんになろうかな」
そんな会話をしながら歩いたのを覚えている。そしてその瞬間、桂花の中で薬剤師はかっこいい職業としてインプットされてしまったのだ。
爽やかな、本当に法明そっくりの顔立ちのお兄さんが、時折飴を作る薬のプロの仕事。そんな認識が出来上がってしまった。
「あれ、ちょっと待って」
今まで大して振り返ることがなかったから気づかなかったが、あの人ははっきりと植物から飴を作ったと言わなかったか。しかも植物や自然にあるものを組み合わせて薬を作ると説明していなかったか。
桂花は思わず布団から飛び起きてしまう。
「えっ、ちょっと待って。じゃあその人も漢方を扱っている人だったってこと」
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