蓮華薬師堂薬局の処方箋

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 朝の挨拶としてそんな会話が挟まるのは薬剤師ならではだろう。ここは漢方薬を多く取り扱っているということで、市内のどこからでも病院から紹介されてやって来る患者が多数いるのだ。それがまた漢方薬を苦手とする桂花の頭痛の種なのだが、ともかく朝から法明の笑顔を見ているだけで癒される。頑張って漢方薬の勉強に励もうと思わせてくれる。 「おっ、早えじゃん。予習でもするつもりか」  しかし、そんな幸せな時間をぶち破ってくれる奴がやって来た。先輩薬剤師の一人、月影弓弦(つきかげゆづる)だ。本人曰く二十七歳だというが、どう見ても不良高校生のようなルックスをしている。  実際、勤務時間前の今、ピアスはしているし長い髪をだらっとさせているし、何だか手にはじゃらじゃらシルバーアクセサリーを付けていて、とてもじゃないが薬剤師には見えない。見た目なんて全く関係ないものの、よくあれで国家試験を通ったものだと、桂花は失礼にも思ってしまう。 「予習復習は常にしています」
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