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僕は自分のキラキラした写真を沢山載せた。
初めは全然誰も見てくれなかったけど、配信の二の舞になるもんかと意地を張ってみたら、少しずつフォロワーも増えていった。
みんな僕を見てる。
みんな僕が好きなんだ。
そう思うと、心は自然と満たされた。
でも、僕が浮かれ気分だったのは初めだけだ。
初めてのハートマークはとても嬉しかったのに、気づけば僕はその数に満足がいかなくなっていた。
ハートが十二...昨日は二十だったのに。
いくらスマホの画面と睨めっこしていても、その数字は変らない。
そんな時僕が逃げ込むのは、現実世界。
何を隠そう僕には彼女がいる。大学に入って知り合った彼女は僕のファンの一人だった。物静かそうな彼女はいつも、大衆の後ろから僕を見ているような、そんなタイプだった。
きっと彼女は密かにシンデレラストーリーを思い描いているんだろう。
だからあの日、僕から彼女に話しかけたんだ。
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