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星の仔猫
仔猫を拾ったのはひどい土砂降りの夜の帰り道
不仲の腹違いの妹から、たいそう深刻ぶった電話の声で今しがた父親が亡くなったことを知らされた
父親とも疎遠
所詮継母とその連れ子である妹と面白おかしく暮らしていたのだろう私を追い出し
葬儀にも出ない
相続放棄の手続きをする
そう告げると先程の深刻ぶった声が一転、人が亡くなったときに出す声ではない明朗な声色になるその女
さっき拾いあげた仔猫が流されそうになっていた小さな川へスマートフォンを投げ捨てた通話も切らずに
見上げればいつの間にか満点の星空
この仔になんと名前をつけようか
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