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アジトにて
「え、え、これが休憩所、ですかぁ?!」
フィリーは、あまりの豪華さに、素っ頓狂な声をあげた。
「おい、小僧2、声がでかい。そんなに驚くほどのことじゃないぞ。」
マッカーサーは、呆れたように言った。
美しいシャンデリアが並び、中央には巨大な階段、床には大理石が使われており、レッドカーペットも所狭しと敷かれている。
3人は、大きな暖炉の前の、ソファーに案内された。
ふわふわのソファーは、昼寝にもってこいだと、フィリーは思った。
3人がそれぞれ、ソファーに腰掛けた時、
「ようこそ、S.P.のアジトへ!」
金髪の美しい女性が、現れた。
茶色の澄んだ瞳は、少し無邪気なようにも見える。
「・・・うわぁ。」
心の声が思わず漏れたフィリーに、マリゲルタは、じと、とした視線を送った。
「こいつは、エレナだ。オレと同じS.P.の隊員だ。
エレナ、コイツらにS.P.についてと、もろもろ説明してあげてくれ。コイツらの概要については、さっき軽く言った通りだ。
じゃあな、オレは仮眠とるぞ。あとは頼んだ。」
マッカーサーは、一気にそういうと、スタスタと去っていった。
「概要って・・・ったく、ごめんなさいね。マッカーサーは、ああいう人なの。悪い人ではないんだけど。あれでも、うちのS.P.隊員の中では、エースって呼ばれるくらいの実力者なのよ。」
エレナは、苦笑いでそう言った。
改めて3人に向き直ると、エレナは再び口を開いた。
「みんな、私たちの存在に驚いたでしょう?
私たちはスペース ヒューマン ポリス、略してS.P.っていう、国家機密の組織なの。
公にはなってないし、人目のつかないところで行動することが多いから、知らないのも無理ないわ。
スペース ヒューマンっていうのは、いわゆる宇宙人のこと、なんだけど、私たちの目的は、宇宙人を倒すことじゃなくて、宇宙人との交流をはかることだから、私たちと同じ人間、ヒューマンって言葉を用いたのよ。
エイリアンって呼ぶと、ちょっと距離感じるでしょ??
あなたたちの目的は、さっきマッカーサーから聞いたわ。敵討ち、なんですってね。
正直、私たちもまだまだ宇宙人については知らないことが多いの。
ただ、宇宙人が人間に危害を加えないってことは間違いね。実際に、誘拐事件も起きてるしね。あの事件は、高確率で宇宙人の仕業だと見てるわ。
そして、私たちは何度も宇宙人と戦ってきたわ。戦う方法もちょっと特殊なんだけどね。」
エレナは、くしゃっと無邪気に笑って再び、話し出した。
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