12人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ
中央図書館
翌日、アシュアとフィリーとマリゲルタは、先生に町へ出かける際、図書館に寄る許可を取りに行った。
「いいだろう、町でいちばん大きな中央図書館に連れてってやろう。」
「やったー!!」
先生は、快諾だった。
「これで、宇宙人についての情報が少しでも分かれば、僕たちの未来が明るくなるね!」
フィリーは目を輝かせて言った。
「僕たち・・・って、これはオレの目標っていうか、使命であって、お前たちは別に関係ないだろ?」
アシュアは驚いて言った。
「なに言ってんだよ、これは僕たち3人の目標だ。アシュアひとりで達成できるとでも思ってるの?」
「そうよ、アシュアひとりじゃ無理だわ。」
オレは言葉に詰まった。
「マリゲルタ、それはオレが頼りないって言いたいのか?」
冗談っぽく笑ってアシュアは流した。
内心は、凄く嬉しかった。
自分のことのように考えてくれる2人が。
ーーありがとな、2人とも。
途方もなく、当てのない目標に、前向きに挑んでくれる2人がいるのなら、叶えられない目標はないと思えると、アシュアは思った。
町に出かける日、フィリーは朝からテンションが高かった。
「町で何を買おうかな?美味しいスイーツを奮発して買ってもいいなぁ・・・。可愛い子いるかな?」
ぶつぶつ独り言を言い続けている。
何しろ年に数回だけの貴重な外出だ。みんなテンションが上がらない訳ない。
町には、孤児院の中だけで生活している子供たちからしたら、もの珍しいものばかりで、楽しい。
ーーオレにとっては、勝負の日だ。
「こ、これが中央図書館・・・!」
町いちばんの図書館の大きさに3人とも息を呑んだ。
3人の目の前にそびえ立つ巨大な建物。
この中に、本が隙間なく敷き詰められていると考えると、
「うぁーーーい!!!」
フィリーはいちばんに駆け出した。
・・・テンション上がることは間違いない。
3人は、手分けして探すことにした。
それぞれ手にはメモ帳とペンを持っている。
宇宙人について、有力と思われる情報が有れば、躊躇わずすべて書き写すという作戦だ。
アシュアは、何冊か、宇宙人に関するデータの本を漁っていた。
過去に何度か、宇宙人と見られるものの目撃、そして宇宙人といえばの、UFOの目撃、件数や現れる場所の特徴など、事細かに書き写した。
最初のコメントを投稿しよう!