酔話

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1 「なあ、ちょっと…」 「何?」 「俺の足踏んでるねんけど…」 「そうやな。踏んでるなあ」 「踏まれたら痛いやんか」 「踏まれてる方は痛いな」 「どけてくれへんか?」 「いや、考え方の違いや」 「どういう?」 「君が私の足の下に、足を捻じ込んできた、そういうことにはならんか?」 「ならへんな。理由がない」 「じゃあ、私が理由があってあなたの足を踏んでいると?」 「ないの?」 「両足を踏むな」 「これの方がええな」 「動かれへんやんんけ」 「私は捕食者や。君は被捕食者や」 「難しいこと言うな」 「だいぶんと距離が近いな」 「気持ちの問題や」 「俺は行かんといかん」 「ダジャレ?」 「仕事や」 「私と仕事、どっちが大事なん?」 「それはメロンと冷蔵庫を比べてるんのと一緒や」 「私がメロンで、仕事が冷蔵庫?」 「どっちでもええやん」 「私、冷蔵庫やったら嫌や」 「俺もや」
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