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愛を語れば
「課長…俺…どうすればいいかわかんない」
『なぁ、京…自分に素直になれよ。もしダメになっても、ちゃんと泣けるような恋をしろよ?』
「名梨さん…俺…絶対に泣かせない。ちゃんと話をしませんか?」
「う…うん。課長…は?」
『俺はここでもう少し飲んで帰るよ』
「課長さん、ありがとうございました。俺…三神って言います。カフェやってるんで、今度奥様といらして下さい」
『ああ、お前たちが上手くいったらお邪魔する。熱が冷めないうちに、さっさと行け』
「名梨さん…行きましょう?」
「ああ、課長…ありがとう」
「名梨さん、どうしようか…ふたりきりが嫌ならどこか店に…」
「大丈夫、ゆっくり話したい…」
「じゃ、俺の家でもいい?カフェの2階が自宅なんだ。コーヒー淹れるよ」
「ん、うん」
「緊張しなくて大丈夫。いきなり襲い掛かったりしないから」
「おそ…って、俺…男だってば…」
「わかってないな…男とか女とか関係ないんだ。あなただから欲しい、糸みたいな理性しか無いんだから煽らないでよ…」
「クスッ…糸ぐらいしかないの?」
「当たり前でしょ?俺のせいで泣いたなんて聞いて、正気じゃいられない」
「いやそれはさ…」
「着いた。どうぞ上がって、コーヒー淹れるから」
シンプルな彼らしい部屋。
コーヒー色、カフェラテ色…それよりちょっと濃いカフェモカ色と香りも。
「コーヒーみたいな部屋だな」
「そう?たまたまだよ」
「どうぞ、熱いうちに飲んで落ち着いてね」
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