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私にできることはただ一つだけ。
右手を高く掲げると変身の呪文を唱えた。
「プリンセススタートランスフォーム!」
空から虹色の光が降り注ぎ私を包みこむ、何故だか心の奥底から勇気が湧いてくる。
「プリンセスキック!」
軽く飛び上がると2メートル程飛び上がれた。そのままの勢いで高志とぶつかる1メートル手前の原チャ目がけて急下降した。
私の足は原チャの車体目掛けて飛んでいき、シンボルマークのように車体中央についていた一つ目のライトは派手な音を立てて割れた。
急に強い力で押し返された原チャは勿論、道路に向かって転倒した。
男達は原チャから放り出され蹲っていたので、ひょいと鞄を取り返すと、いつの間にか近くに来ていたおばあちゃんは涙を流して喜んだ。
また命の恩人の如く感謝された。
そしてどこからか、警察官がやってきて男達を取り押さえた。
この一部始終を見ていたギャラリーから拍手喝采を受ける。
「かっこいいな」
「お姉さん、すごい」
「正義の味方!」
クセになるこの快感。
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