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小鹿倉くんは僕の歩みに合わせてくれて、手を繋いでキスをしてハグをする。
そんな清い?お付き合いでも満足してくれている。
「ユキが嫌がることはしないし、ゆっくりでいいから。今まで待ったんだ。離れる事さえないならそこは我慢出来る。」
と、深くなり過ぎたキスに腰砕けで泣いてしまった僕にそう言ってくれた小鹿倉くんは少し・・・いや、かなり残念そうではあったけれどそれでも僕が泣き止むまで優しく頭を撫でてくれていた。
僕もトラウマがあったとはいえ健全な男子なので初めて出来た恋人といずれそういう事をしたいとは思っているけれど、胸が熱くなるこのドキドキにもう少し慣れておかないと現実にそうなった時に過呼吸でも起こしてしまいそうで怖い。
小鹿倉くんにそう言ったら、複雑そうに笑ったけど、「たくさん慣れないとな」と悪い表情でキスがいつもの3倍に増えたから言葉には気をつけようと思う。
僕の一番大好きで大切な小鹿倉くんは未だに学校一の身長で大柄な人だけど、僕にとって優しくて格好良い素敵な恋人なのでもう怖くはない。
それでも、僕を愛しくて仕方ないという眼差しで見つめて、溶けてしまいそうな程甘い言葉を吐くようになった小鹿倉くんにはいつもいつもクラクラさせられる。
そんな僕は、未だに小鹿倉くんが苦手なのである。
おしまい
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