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小さい頃から映画が好きだった。
近くのレンタルDVD屋に行って、よく映画をレンタルしては期限いっぱいまで見ていた。
そのせいかいつからか映画を撮りたいなんて漠然と思っていた。
そんな風に思っていた時にちょうど進学した高校に映画研究会があった。
僕は映画を撮影できるかもしれないと思い即入部をした。
だが、そこは映画を見て感想を言い合うだけの部活だった。
「あの…映画を撮りたいんですけど…」
僕は勇気を込めて先輩方に言ってみた。
先輩方のリアクションは薄かった。
「いいけど、なにか取りたい題材でもあるの?」
映画研究会を仕切っている細身の先輩は面倒くさそうに言った。
その言葉に僕は
「あります!!」
とそこからこういうモノを撮りたいという展望を熱く語った。
「あー うん いいんじゃない 絵コンテなんか書いてきたらわかるんだけどね」
細身の男性は僕の熱意にかなり引いていて、やりたくないなという雰囲気をガンガン出しながら言った。
だが、僕はその雰囲気を感じ取ることができなかった。
―そっか!! 絵コンテか!!
―絵コンテがあればイメージも共有できるし、撮影もしやすいよな!!
僕はやる気満々で、その日の内にキャンパスノートに絵コンテを書き始めた。
始めての絵コンテという事もあり、自分なりに思考錯誤しながらやり始めたが、書き始めたら止まらなくて寝ないで絵コンテを書き終えた。
そして翌日、僕は目の下にクマをつくり、細身の先輩に書いてきた絵コンテを渡した。
「エッ!? もう書いてきたの!?」
先輩は驚きながらキャンパスノートを確認する。
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