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最初は引いていたが、一枚一枚とページをめくる事に真剣な目つきに変わっていた。 「やろうか撮影!! みんなにも協力してもらうように、僕からもお願いしてみるよ」 先輩は僕の熱意を感じたのか了承してくれた。 そして僕の始めての映画撮影が始まった。 撮影し始めると、みんな映画が好きなせいで勝手に士気は上がっていく。 『ここの編集、俺やってもいい?』 『こっちからの画角のほうがよくない?』 そんな言葉が自然と出るようになった。 そして映像が完成すると一人の先輩が 「せっかく作ったんだし、これがどんなモノかたしかめたくない?」 と言い始めた。 「でも、確かめる方法あります?」 僕が伺うと、その先輩はスマホを取り出してディスプレイを見せてきた。 ディスプレイに映っているのはコンテスト情報サイトで、よくわからない会社が主催しているショートフィルムのコンテストだった。 「これ応募してみない?」 「う~ん、まぁいいんじゃないっすか」 僕は映画作りがメインだったのでコンテストとかはあんまり興味がなかったが、断るのが苦手な人間なので押し切られた。 しばらく経過して、コンテストに応募している事を忘れている頃だった。
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