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部室にしている空き教室で映画研究会のみんなで集まっていると、コンテストに応募しようと言ってきた先輩が走ってやってきた。
「ヤバい!! やばい!! やばい!! これ見て!!」
先輩は汗をダラダラ流しながら、目がギンギンの状態でスマホを見せてきた。
映画研究会のみんなは、なんだよって言うような呆れた感じてそのスマホのディスプレイを見ると、そこにはコンテストの結果が表示されていて、自分たちの作品が優秀賞の欄にあった。
『やべぇだろ!! やべぇだろ!!』
『すげぇ!! すげぇ!!』
みんなは顔を真っ赤にしながら歓喜しているが、僕はその光景を呆然と眺めているだけだった。
そんな時だった。
背中をボンと叩かれた。
叩かれた方を確認すると細身の先輩が笑顔でいた。
「樋口くんすごいよ!! おめでとう」
「エッ!? いやこれはみんなが」
先輩からの褒め言葉に、この手柄は自分一人で作ったものではないので一生懸命に手を振り否定した。
「みんなは樋口くんの作品に乗っかっただけだよ。樋口くんがいなければ撮影の大変さやたのしさ、そして賞を受賞するなんていう経験はできなかったよ。本当にありがとう。」
先輩の言葉に胸がジーンと熱くなり、幸福感でいっぱいだった。
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