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外食のその後
何とも不安を残した外食のあと、タクシーで両親を家に帰し、長女夫婦は長女旦那の実家へ向かう。
結婚以来、帰省する時は旦那実家で過ごすことが多い。
だって、楽なんだもの。
優しいうえに、過剰に干渉してこない義両親に長女は甘えっぱなしだ。世間で言うところの嫁にも関わらず、帰ればいつもゴロゴロさせてもらっている。
ホントありがたい。
義母さんは長女が父親と仲の悪いことを気にかけてくれていて「元気にされているの?」「たまにはちゃんと帰りなさいよ」と声をかけてくれる。
まるで反抗期の子供だな
両家は年賀状と時々の贈答ほどしかやり取りがなく決して親密ではない。ややこしい親とマメに付き合わせるのは申し訳ないので、その距離感を楽だと思ってくれていることがこれまたありがたい。
義両親にも今日のことを報告する。
「父親の認知が怪しくなってきて。これから色々考えなきゃって感じです」
同年代の話として他人事ではないと感じるのか「あぁそうなんだね。話をすることが好きな人だったのにねぇ」などと意外としみじみと思い返してくれる。
「自分たちも怪しいもんだからねぇ」
まだまだしっかりした義両親だが、身体の衰えは感じざるを得ない。歳には勝てない、長女ですら思う。
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