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五年前 大学二年 夏
時刻は午後二時、一日で一番暑い時間帯。
確かニュースでは気象予報士が今日は過去最高の猛暑日とか言っていた。
セミの鳴き声がミンミンとうるさい。
図書室の冷房は切れていて、汗が額から落ちる。
唯一の味方である扇風機は、この席には風があまり来ない。
(なんでこれを俺一人でやらないといけないんだ)
心のなかでぼやく。
俺は大学の講義で課された共同製作レポートを一人でやっていた。
先日、教授は適当にグループを決めて、その班で協力して講義内容と参考文献を元にレポートを作ってきなさいと言った。
そこから各班、話し合いをしながらどのようなレポートにするか、いつ集まるかなどを話しているなかで
なぜか俺の班だけは、このレポートの作成を一人でやることを
アミダくじで決め、運悪く当たりを引いてしまったのだ。
(こういうのは言い出しっぺが任されるものだろう...)
そんなことを考えてもレポートは進まないので、机上にまるで
巨大要塞と化している参考文献の山々に手をつける。
図書室は扇風機の風がよく当たる席に何人か座っていたが
数人ほどだった。外から講義を終えた学生の声が聞こえる。
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