嘘つきの砂時計

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「はっ!」  飛び起きた。  砂時計なんてどこにもない。  いつものあたしの部屋だ。  なにもかわったことなんてない、いつもの朝だ。 「夢、夢だよね……」  あれは夢だ。ただの夢。なのに体が重く、息苦しい。まるで砂に埋もれているみたいに。  砂時計の中。  落ちてくる黒い砂。  埋められていく自分……。 ――いいかい、嘘っていうのはね。 ――人を騙そうとする気持ち、そのものなんだよ。
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