嘘つきの砂時計

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 嫌なイメージを、頭をふって追い出す。 「だって、嘘なんか……」  ついてない、とはもう言えなかった。あたしの中には、はっきりと、誰かを騙して金をせしめたいって気持ちがあった。「人をだまそうとする気持ち=嘘」なのだとしたら、あたしは確かに嘘をついていた。 「……で、でも、せっかく大金が入ってきたのに。いまさらこんなおいしい商売、やめるわけには……」  ベッドから起き上がった、その時。  黒い砂が落ちてきた。
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