嘘つきの砂時計

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「1000万円もあるんだから、少しくらいぜいたくしたっていいよね」  食べてみたかったあのメニュー、パソコンにタブレット、洋服にアクセサリー、あこがれのブランドのバッグ。ひとつ買えば、たちまち次が欲しくなる。   「このアクセかわいー、たった50万円なら買っちゃおうかな」 「ベッドも買い替えちゃお。150万円の高級なやつ!」 「ランドに遊びに行きたいし、コンサートにも行きたいし。ホスト遊びもやってみたかったんだよね」  欲しいものがなんでも手に入る。  やりたいことがなんでもできる。  あたしはその快感に酔っていた。  三か月でお金が底をつき。  つかのまの酔いから覚めるまでは。
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