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大人になりたかった少女
はやく大人になりたかった。
いつから、と言われれば少なくとも私の記憶の
一番奥底にいる私は既に大人になりたかった。
大人というものに憧れていた訳では無くて、
とにかく子供でいるのが嫌だった。
あの小さな世界から逃げ出したかった、ずっと。
まだまだ幼かった私に出来るちっぽけな背伸び、
伸ばした手は何を掴みたいのかも分からず
それでも必死にもがいたあの日々は
決して無駄なんかじゃ無かった。
あの日、全てがそこから始まった。
あの景色も、色彩も、風や匂いも、
全てが私の心に突き刺さったんだ。
今でも思いだすよ、あの頃を。
15歳の私とマスカラの話、それから
何でもない思い出話をいくつか話すから
どうかあなたに聞いてほしい。
届くことを願って。
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