せーしれーす

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私はシングルマザーの家に育ち、母親が苦労して私を育ててくれていたのを見てきた。 だから、伴侶を得る、孫の顔を見せる、というのは最大の親孝行だと思っていた。 「……少し、あたまに血が上ってきた……」 おいおい、と服を着終えた江月くんが、私の身体を支えて、上下元の状態に戻してくれた。 「服着なよ。風邪ひくよ」 そう言って私の赤いパンティをベッドから持ってきた。 子どもを授かる縁起物の赤い下着。 それをまるで自分の保育園の児童のように、履かせてくれる。 「江月くん、ご飯食べて行かないの?」 「うん。このあと食べに行く約束してるから」 「そう……」 私は少し哀しくなる。
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