せーしれーす

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「ぶー香って、器用だよねぇ」
大学のボランティアサークルに私は属している。
今日は来月訪問する、障がいのある子のグループホームの為の準備で忙しい。
折り紙を縦に切って、輪っかを作って繋げるだけの作業を一緒にしていた倉木さんが、私に耳打ちをしてくる。
「ほんと。牛とか産みそうな風体なのに、ちまちまとちいさいもの、よく作れるよね」
玉木風香こと、ぶー香は、その名の通り、可愛いとは言えない、巨体のサークルの一員だ。
今もカッターナイフを駆使して、動物のクラフトをせっせと作っている。
「牛とか産みそうって、あはは。確かに。でも絶対相手にする男なんていないわよね」
「ぶー香で勃つ男のひとっているのかしら」
私と倉木さんは目を合わせて笑い合う。