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☆
「あっ、江月先輩」
「先輩だー」
子どもの為のグループホームへの慰問ももう少しだと言う頃。
サークルに突如、江月くんが顔を出した。
「今日は入所保護者説明会で、平保育士は午後からフリーだったから、来た」
そんなこと、この間は言ってなかった。
だけど突如として現れた彼に、こころが躍ってしまった。
私のアパート以外で会うことなんて滅多にないから。
元々このサークルはボランティアだ。
そういう精神を持ったひとの集まりだったから、OB、OGもたまにやってくる。
江月くん……江月くん。
私、あなたの子どもを授かったかもしれない。
そう伝えたい衝動にかられた。
――その刹那。
「みなさ~ん。ご報告がありま~~す」
ぶー香が朗々と歌うように声を上げた。
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