せーしれーす

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「たまたま江月さんが来たから、いっそ言ってしまおうと思って」 彼女の顔はぷくぷく、つやつやしている。 江月くんが来たから? 何のこと? 私は胸が騒めくのを覚えた。 「私、玉川風香、この度妊娠いたしました!」 その場に会した10名ほどのサークル員たちがざわっとする。 「え? ぶー香が妊娠?」 「まじか」 「誰の子よ」 ふふん、と鼻を鳴らして、ちょこんと立っていた江月くんの腕に絡みつく。 「江月さん、できちゃった。病院にも行ったの。今三カ月だって」 私は混乱したまま、流れる状況を見ていた。 「風香! よかった! きみなら元気な赤ちゃん産めるよ!」 感極まったとばかりに、江月くんはぶー香の肉体を抱きしめる。 ちょっと、どういうこと!? ……と、私は声を飛ばそうとした。 「ちょっと、どういうこと!?」 音になった台詞は私のものじゃなかった。 倉木さんだった。 彼女はぶー香から江月くんを離し、胸倉を掴んだ。 「二股? 私たちつきあってるんじゃなかったの!?」
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