14人が本棚に入れています
本棚に追加
/91ページ
1 旅立ち
「アーミテージ……
マクスウェルの城に詰めては貰えぬか?」
「兄上……」
線の細い俺の兄、地方の小領レオンを収める兄上……
その兄上が俺を召し上げ、領主の館、主の間の、石造りの部屋に俺を10km程離れた俺の館に早馬を走らせ呼び出した。
「兄上……
お断りす事など、出来ぬお話なのでございましょう? なら、行けとご命令下されば、このアーミテージ、家臣として弟として喜んで承ります」
曇る兄上の瞳に幾分輝きが戻った……
様に感じた。
「すまない……
体のいい人質だ……
かような小領では、贖う術は……
ないのだ……
許せ」
マクスウェル・ド・エラスリート……
この地方を収めるために王都から派遣された国人領主。
現王の覚えめでたき男……
尻の穴のなめ方が上手いだけだろう……
最初のコメントを投稿しよう!