セカンドチャレンジ

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 ああ、そうか。そうかもしれない。  きっとこれはあれだ。  大事に大事に育てた我が子が巣立つ瞬間の母鳥のような気持かもしれない。  心配する気持ちだったり、離れていく寂しさだったり、今まで私が一番だったのがそうじゃなくなる虚無感だったり。  そういう複雑な感情が入り混じって出来上がったものかもしれない。  そう思ったら、納得できたのだから、そうなんだと思う。  ならここは踏ん張り時だ。  慣れた生活を失うことや、弘さんという大事に育ててきた存在が他人の手に渡ることは、確かに辛いが、ここを乗り越えれば弘さんは真実の愛を手に入れきっと自信もつくだろう。  私はそれをちゃんと見守ってあげよう。育て人として。  だから今はこの感情を耐え抜こう。  そう気持ちを改めているうちに弘さんは浄化用のお塩を購入し、「ま、また、来ます」と言ってお店を出て行った。  そんな彼を見送る浜口さんの表情が、期待に胸を膨らませているように見えて、また胸が痛んだが、それは無理矢理気づかないフリ。  今日は買う日じゃないと思ったので、タイガーアイ様は見送ることにする。  また来ます、と原石に念を送り、私もお店を出て行った。
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