★超恋愛マスター

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 改めて気づかされると、一物がキュインキュインとなってしまったのだが、なんとここでタイミング悪く仮の妻が物置部屋のドアを開ける音が聞こえてきた。 「弘さん…、えっと、さっきはあんぽんたんとか言ってごめんね…」  パタパタと歩く足音が近づいてくることに僕は焦った。  何がってそりゃ、キュインキュインしてるのを仮の妻が見たらきっとジロジロと見てきて『おおっ、今ある野菜で比べてみようか!』などと変態的な提案をするに決まっている!  いや、問題はそれじゃない。  僕が駄目だ!  僕自身が彼女を目にしてしまうと、もうどうしていいかわからなくなる。ああっ、ど、どうしようどうしょう!どうしようっ! 「弘さん?」  肩をそっと叩かれた僕は飛び上がり、「う、うあああああっ」と叫びながら寝室に退避した。  きっと仮の妻は僕の行動をイカれた男だなと引きつつ呆然としてると思うが、僕もどうしていいかわからない。  急に意識の対象となってしまった仮の妻へ、どのように接すればいいのか、本当に本当にわからない。
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