★生配信

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 言葉を失っていると、仮の妻が突進してきて飛び込むような勢いで僕を抱きしめてきた。 「っへ!?っへ!?へぇーっ!?」  な、何がどうなっている!?な、なにが!?な、なんで!? 「弘さ~んジュースとかありがとね~」 「い、いや、え、あの、もう、いいの?」 「うん、すっかり良くなったよ。もうピンピン、ビンビン、ギンギンしてる!」 「あ、それは、よかった」 「弘さん看病してくれてありがとうっ」  屈託のない笑顔を向けられ僕の口角も上がりそうになったが、そこでハッと気が付いた。  配信中だった!  慌てて画面を見てみると、 『仮の妻キターーーーーーッ!』とコメント欄が凄いことになっている。  やっべーぞ!と配信終了の手順を行おうとしたのだが、キーボードに伸ばそうとしてた腕を仮の妻が掴んで止めてくる。 「ちょ、ちょっと」 「弘さん」  僕を見る顔が真剣でまっすぐで、そして病み上がりのせいかやはり頬はまだ赤くて。  つまりは可愛すぎるので困る。 「昨日言ってたことは本当?」 「え…?」 「私のこと好きって言ったの、本当なの?」  心臓が暴れ狂う。  このまま発作を起こしてしまいそうになる危うさすら感じたが、ここで誤魔化すことや逃げることは絶対だめだ。  ゴキュン、と唾を飲みこんだ。 「うん…。好きです」  目を見て告げることができた自分を今回ばかりは褒めてやりたい。  彼女からどんな反応や返事が返ってきても、僕は僕のやるべきことは果たしたと思える。  だけど、まだ怖い。仮の妻は、僕をどう思っているのだろう。
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