★本当の夫婦

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 彼女を守りたい。ずっとずっと大切にしたい。  そんな気持ちで僕の胸はいっぱいになった。    そして僕はやや丸まっていた背中をグッと伸ばした。 「ひな乃さん」 「うん」 「僕たち、もう結婚してるけど……」 「うん」 「僕と…、本当の夫婦になってくれませんか」  照れたように笑った後、ひな乃さんは「はい」と頷いてくれた。  僕は溢れる幸せを噛み締める。  やっと、やっと、本当に結婚した実感と責任感を覚え、一人の男として立派に、そしてしっかり地面を踏みしめて立っているように思えた。  だがそこで僕はハッと気が付いた。  そうだ、僕はまだ童貞だった。  男として、なんて言うが、童貞学校を卒業してないのに一丁前に男を名乗ってもいいのか!  いや、全然いいと思うのだが、夫婦となると違うのではないか!  夫の一物が在学生のままなんて、それは本当の夫婦といえるのか!
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