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彼女を守りたい。ずっとずっと大切にしたい。
そんな気持ちで僕の胸はいっぱいになった。
そして僕はやや丸まっていた背中をグッと伸ばした。
「ひな乃さん」
「うん」
「僕たち、もう結婚してるけど……」
「うん」
「僕と…、本当の夫婦になってくれませんか」
照れたように笑った後、ひな乃さんは「はい」と頷いてくれた。
僕は溢れる幸せを噛み締める。
やっと、やっと、本当に結婚した実感と責任感を覚え、一人の男として立派に、そしてしっかり地面を踏みしめて立っているように思えた。
だがそこで僕はハッと気が付いた。
そうだ、僕はまだ童貞だった。
男として、なんて言うが、童貞学校を卒業してないのに一丁前に男を名乗ってもいいのか!
いや、全然いいと思うのだが、夫婦となると違うのではないか!
夫の一物が在学生のままなんて、それは本当の夫婦といえるのか!
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