2661人が本棚に入れています
本棚に追加
/163ページ
彼は本当に動かない。
食事を用意して「一緒に食べよう」と誘い出そうとしたのだが、「部屋まで持ってきて」と言われたのだ。
いやぁびっくりしましたとも。
唖然とする私に「家では母さんやお手伝いさんがいつもそうしてくれた。それが僕の当たり前だから」と畳みかけてきたので、じゃあ…という感じで部屋に運ぶようになったのだが。
なんだかなぁと複雑な心境である。
さらに新妻は旦那さんの糖分塩分の過剰摂取が非常に気になる。
彼は大量のジュースとお菓子、そしてポテトチップス等のスナックをネットで宅配注文し、寝室に常備している。ピザなどの宅配の数も多い。
掃除するね、と部屋に入れば空のペットボトルや個包装の包み、ピザの箱などが散乱してるし、部屋もなんか臭い。
弘光さんもなんか臭い。
思い出してみると、お風呂場に入る回数が少ないことも気づいたのだ。
そりゃあ太るし肌も荒れますよ。不衛生の極みじゃないですか。
しかしここで黙ってる私じゃない。
一週間は様子を見るという感じで過ごさせていただいたが、私には成すべきことがある。
そうそれは旦那さんの育成改革!
ダイエットして身だしなみを整え、筋トレさせて、人の目を見て話せる人にさせる、というもの。
別に今のままで問題があるというわけではないけど、お兄さんがあれだけイケメンで好青年なので、彼もイケメンポテンシャルがある気がしてならない。
アプリゲームで数々のだらしないおっさんを調教して社会復帰させ、伝説の調教師という称号を獲得している私は、妙な自信があったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!