信号機の青と赤

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「そりゃあもちろん、レベルが上がるということは、すなわち報酬の質も上がるということだからね」 「…どんな報酬?」 「ダイエットを続け、にきびゼロを達成したら、この胸を生で触らせてあげる」  宣言した途端に弘さんがよろめいた。生という言葉の衝撃はやはりすごかったようだ。 「どうする?」 「……やる」  あら、素直じゃないの。  一度おっぱいに屈しさえすれば男は従順になるんだなぁと私は何か学びを得た気がした。  それからすぐに二人で薬局に出かけることにした。  面倒くさいから行きたくないと三十分ほど駄々を捏ねる童貞君をなんとかあの手この手で説得し。  というか、結局どの手も効かなくて、怒った私が「じゃあもうおっぱい揉めないよ!?」と叫んでやっと連れて行ったという感じ。  弘さんはまるで保育園に行きたがらない巨大な三歳児だ。
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