お誕生日

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「にきび消えたら生の胸触っていいって言ったでしょ?」 「うん」 「その報酬の内容を改正する」 「改正?」 「そう。一分。一分間好きなように触らせてあげる」  言った途端、弘さんは両手で顔を覆った。ビックリして目を見張ると、彼はやがて、コク、コク、と頷く。  なんだその恥じらう乙女みたいな可愛い頷き方は。  そしてその手の下はどんな顔してんだ。  無理矢理引きはがして見てみたい欲求に駆られるが、今は我慢しよう。  なにはともあれ、一分生揉みを代償に、夫のモジャモジャ頭をすっきりさせる約束ができた。  誕生日サプライスは成功し、夫育成改革の進歩も予定された。  今日は大満足な一日であった。  それから、誕生日サプライズをしたことで弘さんが私に少し心を開いてくれたのか、夕飯だけは一緒にダイニングテーブルで食べるようになった。  私から話しかけない限り無言だし、目もほとんど合わないけど、なんだか少し夫婦っぽくなってきたなぁと私は弘さんを見ながらニコニコするのだった。
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