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「だから何もできないとか言わないで。そんなことは絶対ないんだから」
「…だって本当に」
「できる。弘さんはなんでも挑戦できるしポテンシャルもある。他の人にはない良いものたくさん持ってる」
「…他の人にはないものって…何?」
急に挑発的な目を向けられた。
この目はあれだな。私が言葉に窮すると思ってる目だ。
ほら言えないんじゃん、と嘲笑してやる気満々が伝わってくるが、甘いぞ夫よ!新妻をなめるな。
私は弘さんの良い所、結構知ってるぞ。
「例えばその無駄に良い声よ」
「…声?」
「そう。弘さんの声って俗にいうイケボなんだよ」
「そんなことない」
「そんなことあるの。だって私、弘さんの声ならずっと聞いていたいもん」
「だっ、んぐっ。げふん、がっふん」
突然顔を真っ赤にさせて変な咳きをするが、それも照れだと妻はわかっているぞ。
ところで今の自分の発言で私はあることを閃いた。相変わらず閃きがピカイチすぎて自分を称賛したくなる。
「ねえ弘さん!ゲーム配信してみたら?」
私の提案に赤い顔のまま弘さんは目を見開き「は?」と間抜けな声を出す。
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