乳山無料拝見

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 続ける、というともう一つ。そう、筋トレ。  なんと弘さん、毎日毎日ちゃんとやっている。  こないだお風呂からあがって着替えているところを、うっかりと見せかけて意図して覗いたのだが、ポッコリお腹がストンと控えめさんになっていたのだ。  腹筋は確認できなかったが引き締まってきている感じは見受けられた。  そして弘さんは私が覗いてることに気づくと「いやぁーっ」と言って胸を腕で隠していた。  乙女か、みたいな反応で、ちょっと可愛かった。  なにはともあれ、夫は一ヶ月間筋トレを続けた。  それが意味するのは、そうです、私の胸を見せてあげるということです。  エロイベントの開幕です。  それは日曜日の昼間のことだった。  秋の到来を感じさせる涼しい風が、掃き出し窓にかかる若葉色のカーテンをそよそよと揺らす時、私はソファーに寝転がり、やはりおっさんの調教に精を出していた。  すると「あの」と声をかけられ、スマホをタップしようとしてた指を止めて振り返る。L字型ソファーの端に弘さんが座っていた。  おっさんの尻を叩くのに夢中で弘さんが来ていたことに気づいていなかったようだ。  スマホをホーム画面に戻し、テーブルに置く。 「どうしたの?」  首を傾げて訊いてみたが、妻はもうわかっている。  今日が筋トレを始めてからちょうど一ヶ月。つまり夫は神秘なる乳山の無料拝見にお越しになったのだ。
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