お見合い相手はもじゃもじゃニート

セカンドチャレンジ

　さて、二回目のチャレンジです。

　私と弘さんはファーストチャレンジの二日後、再びエメラジョジョーンを訪れた。
　連れと思われないように、先に弘さんが入って、数分後に金髪ウィッグなどで変装した私が入店する。

　今回は挨拶に加えて、石について何か質問をしてみるというミッションを与えているせいか、弘さんがいつにも増して緊張しているようだ。
　今回もいらっしゃいませから始まった会話のチャンスを無駄にし、店の奥まで突き進んだまま壁を見つめている。

「大丈夫。収集つかない感じになっちゃったらすぐ助けに行くから」とは伝えたし、今回こそは弘さんに集中しようと思うのだが、目はもっとすごい金運爆上げアイテムはないかと私の意志を無視して勝手に店内を必死に模索してしまっている。

　応援すると大口を叩いたくせにこんな姿勢は良くないと思うのだが、私も心の内では少し焦ってもいる。
　弘さんが無事に浜口さんといい感じになってしまったら、それは喜ばしいことではあるけど、私は金に困らない生活を失うことになるのだ。
　いくら慰謝料一年分があると言っても、やっぱり金運爆上げの恩恵は保険として持っていたい。