プロローグ

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「才能溢れる騎士の少女がいる……?」 「はい、シリウス騎士団長」 エルザの噂は直ぐに騎士団長の耳にまで届いた。 「ほぉ……。」 「なんでも、もう同期の中では『妖精』という異名がついているとか」 「なるほど……」 「こちらが彼女の騎士団入隊時の志願書となっております」 騎士団長、シリウス・ルーベルトはエルザの志願書に目を通す。 「エルザ・カペル…… カペルというファミリーネームと言うことは、もしやあのフェリド・カペルとレイア・ミシェルの子供か?」 「はっ、そのようであります」 「ほぉ……」 シリウスは思案気な顔を見せる。 やがて、なにかを決意したように側にいる男に声をかける。 「エルザ・カペルを初期訓練課程終了後、我が隊に就かせろ。 私が直々に彼女を仕立てあげてみせる」 「はっ…… 失礼しました!」 男はシリウスに敬礼をしたあと、部屋を出ていく。 まだ11のうら若い少女を、とは思った。しかし、それほどまでの実力を有しているのは、彼は自分の目で見ている。 彼は直ぐに、彼女に異動の通達を出す。
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