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綾をつまんで、外へ回してすくい取ると六芒星の形が見えたのちに菱形を作る。
——知ってる? 菱形って菱の実のことなの。菱の実をゆでて食べると栗の味みたいでおいしいんだよ。
縦方向に交差をつまみ掬って中央を広げると蛙になる。
——蛙はね、お供えものなんだよ。川から蛙を捕まえてきて、弓で射抜いて神様の前に捧げるの。
なんで蛙なの、と訊ねると、よくわからないけど、と前置きして、神様は蛇なのかもね、と少女は言った。
蛇の神さまは水とつながりが深いから。
話しながら、横から交差を取って二本の紐の間をすくい上げると再度菱形に戻り、最後に鼓、再びかわになり元に戻る。
あとは取り手の早さ次第となる。紐の受け取りを失敗するまで、延々と指ですくい続ける——
「なんであやとりが好きなの?」
訊ねると、少女は答えた。
だって手をふれるとかたちが変わるでしょう。横から下へ、下から上へ、おもてからうらに、ひっくり返すとつぎつぎと見た目を変えていくのよ。
どうしてわからないんだろう。そんな表情をしている。不可思議なものを眺める目が向けられている。
だが、すぐに大きな丸い瞳を細め、微笑む。
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