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 二十年ぶりに舞い戻った土地は、すっかり様変わりしていた。  立場は逆転した、と思い知る。  結局、運命(さだめ)は変えられないということか。無念極まりないが、選べる手段は知れている。  山を覆っていた雑木林は消えていた。  山肌に貼り付くように、細かく区分けされた家が建ち並ぶ。一部は山肌を大きく削り、高級志向の外観に整えられたマンションとなっている。  だが、あの場所に家はあった。急坂を上り詰めた、山の稜線の一区画。  正確にはすでに古い家屋は取り壊され、周囲に合わせて(なら)されていた。奥まで私道が敷かれて戸建住宅が建ち並ぶ。すでに街並みの一部へと変貌していた。  近年の様式に従って、白い壁に電動シャッターが取り付けられた窓。玄関前の駐車場には、普通の家と同じようにセダン型の白い車が止まっている。  秋の午後は、日が落ちるのが早い。
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